読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

元サラリーマンの波乱万丈 為替日記

会社をリストラされてから、外国為替の世界へ。

確率1000000000000000000000000分の1 に負けたヘッジファンドLTCM

LTCMとは、ノーベル賞受賞学者、元FRB副議長などの著名人をパートナーに、94年から運用を開始した米国のヘッジファンドである。ロシア危機をきっかけに、半年間で約5,000億円もの損失を出して破綻した。

 

LTCMのリスクマネジメントにはいくつかの問題がありました。

 

4500万ドルという1日あたりのボラティリティは、過去のS&P500の平均のボラティリティを元に算出していました。しかしこのボラティリティは一定ではありません。マーケットが暴落すると、ボラティリティは加速度的に増加します。つまり、さらに下落する可能性が高まるわけです。

実はリターンは正規分布には従わないことが知られています。彼らもそのことは認識していました。しかしながら突発的なイベントによる大暴落を低く見積もっていたのです。

また、ポートフォリオ自体にも問題がありました。彼らは、その資金の約1/3を金利スワップ、約1/3を株式および株式指数オプションのショートによって失います。LTCMのとっていたポートフォリオは、一見通常時は十分に分散されたかのように見えますが、実はロシアのデフォルトのような異常なことが起きた場合、ボラティリティは上昇し、縮小するはずのスプレッドは拡大、そして流動性は枯渇するということが起きます。

そのすべてが彼らのとっていたポジションに大打撃を与えるものでした。
実際にはリスクは全く分散されていなかったわけです。彼らの「大きすぎる」ポジションを枯渇したマーケットで解消していくことはあまりにも不利益でした。
こういった要素はVaRには考慮されていません。

1998年9月、追い詰められた彼らは、顧客に資金を募るも、新たな資金を集める事が出来ずに、破綻状態となり、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)による救済措置がとられることになります。

 

このような頭脳の持ち主が、集まってもミスを犯す。天才が集まるともちろんの事、自身過剰バイアスが働いていた事で単純な事を見過ごす事になったのではないでしょうか。彼本も戦略自体の失敗ではなく、レバレッジの掛け過ぎや本来のスタイルに反するようなポジションを取った結果であると証言している。個人は大きな利益は狙えないかもしれないが、リスク管理などすべての決裁権が個人に委ねられている事が強みでもあるのではないだろうか!